本事例は有機物・微生物の宇宙曝露と宇宙塵・微生物の捕集を目的とした日本初のアストロバイオロジー実験「たんぽぽミッション」において用いられた機械式宇宙温度計(※)へのバイメタル材の搭載事例となります。
(※)国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」(JEM)の船外実験プラットフォーム上の簡易曝露実験装置(ExHAM)に取付
熱膨張率の違う金属が温度変化により曲がるバイメタル材の特性を活かして、温度変化により緩んだり締まったりすることで軸を回転させ、その回転角を温度指針で読み取ることにより温度を測定するという仕組みの温度計です。
※米国Engineered Materials Solutions社製のバイメタル材を使用
帯状のバイメタル(長さ90 mm × 幅1.5 mm × 厚さ0.18 mm)を7 巻半のらせん状に加工したバイメタルコイルが保護管に収められており、一端は保護管の端部に、他端は温度指針の軸にそれぞれ固定されています。
バイメタル材の特性を活かして、宇宙環境下であってもしっかりと温度を計測することができました。
参考元:日本機械学会論文集「たんぽぽミッションにおける機械式宇宙温度計の開発
https://www.jstage.jst.go.jp/article/transjsme/82/835/82_15-00538/_pdf