【接合金属の豆知識 Vol.2】IH調理器に適したクラッド材

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多層鍋とは?

多層鍋とは、異なる種類の金属が接合された材料から作られている鍋を指します。この材料は一般にクラッド材と呼ばれ、例えば銅とアルミニウム、ステンレスとアルミニウムなどの組み合わせがあります。特に、IH調理器でよく使われるのがステンレスとアルミニウムのクラッド材です。

>>クラッド材とは?

クラッド材に使用されるステンレス

クラッド材に使用される代表的なステンレスには、JIS規格のSUS304とSUS430があります。SUS304は鉄に18%のクロムと8%のニッケルを混ぜたもので、SUS430は鉄に18%のクロムのみを混ぜたものです。どちらも「さびにくい」という特性を持っていますが、SUS304は磁石に付かないのに対し、SUS430は磁石に付きます。この違いがIH対応のポイントです。

IH対応の仕組み

IH調理器は磁場を発生させ、その磁場に反応する鍋底を発熱させる仕組みです。磁石に付くSUS430はこの磁場に反応するため、IH調理器で使用できます。一方、磁石に付かないSUS304は磁場に反応せず、鍋底が発熱しないため、IH調理器では使えません。つまり、ニッケルを含むステンレス合金はIH調理器には適していないのです。

ステンレスとアルミニウムのクラッド材の利点

ステンレスとアルミニウムのクラッド材がIH調理器に適している理由は、SUS430の磁気反応性とアルミニウムの優れた熱伝導性にあります。SUS430が磁場に反応して発熱し、アルミニウムがその熱を鍋全体に効率よく広げることで、料理がより早く均一に調理されます。これにより、熱効率が向上し、エコであり、脱炭素社会にも貢献できます。さらに、アルミニウムは軽量で取り扱いが楽なため、調理の負担も軽減します。

クラッド材がIH調理器に適している理由

クラッド材、特にステンレスとアルミニウムの組み合わせがIH調理器に適しているのは、SUS430の磁気反応性とアルミニウムの高い熱伝導性が組み合わさることで、効率的かつ均一な加熱が可能になるためです。これにより、調理の時間が短縮され、エネルギー効率も向上します。また、軽量で取り扱いが楽なアルミニウムの特性も、日常の調理において利便性を高める要素となっています。このように、多層鍋のクラッド材は、IH調理器に最適な材料と言えます。

>>IH機器(鍋・釜)へのクラッド材 搭載事例はこちら!

 

接合金属の豊富な実績を有する当社であらば、今コラムに記載の内容に加えて、様々なノウハウ・豆知識を有しております。

アルミとステンレス以外にも用途に合わせた金属の組合せでクラッド材の製造が可能です。

>>クラッド材の組合せ表

 

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